カニのつぶやき-海で見つけた共生の物語

商品名 カニのつぶやき-海で見つけた共生の物語
商品番号 yomimono035
価格 ¥2805 (税込)
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商品の詳細

著者:小菅丈治
巻頭カラー&白黒 174頁  
縦19cm横13cm 2014年12月刊

主人公はカニ、貝、エビ、魚など、海に暮らす生きものたち。身近な干潟やサンゴ礁、マングローブ林を舞台に、観察と発見の喜びに満ちた珠玉のエッセイ集。
世界でもっとも多様な海洋生物が棲む沖縄~熱帯アジア各地の海で調査・研究を続けてきた著者が、生態の妙、多様性と共生のリアルな姿、人との関わりを生き 生きと描く。

目次

はじめに――食えないカニたちと
 
オカガニたちの夜
ボルダリングの名手はヤドカリハンター
「豚足ヤドカリ」の教え
矛盾のなかに真理あり
「兵隊ガニ」の素顔
黒潮の右と左
誰かカニの雌雄を知らんや
岩穴暮らし
食われる者から見たサンゴ礁
リーフの外には何がいる?
クロツラヘラサギの保養地
自然と業のはざまで
大鵬の海へ
南波照間にソデイカを追う
ダルパパに会う
台湾曽根まで
熱帯の視座から
カニに春秋あり
ケアンズのカニ捕りツアー
イラワジのカニの村
ニッパヤシの便り
エビを育てる海辺で
海老は縁起物か
数の力
マタンは偉大なり
コレクター心理
「ひるぎの一葉」に始まる食物連鎖
 
あとがき
謝辞

著者からのメッセージ
石垣島の干潟をスコップで掘り返しながらカニを研究する日々,通りすがりの人々から最も頻繁にかけられた言葉は「そのカニ食べられるんですか?」だった.
しかしオーストラリアでは「そのカニのどこがおもしろいんだ?」と尋ねられることが多かった.
 「食べられるのか?」という質問にはイエスかノーで答えるしかない.
「食べられない」とわかると,たいていは 興味を失い立ち去ってしまう.
一方で「どこが面白いのか?」という問いかけには,さまざまな答え方で応じることができる.
会話が続く.海辺で魚介を漁って 食用とする習慣を持つか否かという違いはあろうが,それにしても,もう少し「食えない者たち」に関心を持ってもよいのでは,と思う.
 
 「食べられる生き物」とは,ヒトの身体の維持,発達に必要な滋養の源だ.
ヒトが自然の中で食うや食わずの生活 を送ってきた数百万年の間,食料の調達は心の躍動とセットになっていたであろう.
いまや食物はスーパーで買ってくれば事足りる.そこでは,食料を入手する 過程で経験してきたはずの,工夫や技の鍛錬が収獲によって報いられたという充足感も,自然の恵みに運よくあずかることができたという安堵感も感謝の念も生 じがたい.
自然の中の発見や感動の体験は,精神の発達に本来欠かせないものではなかったか.「パンのみにて生きるにあらず」という.足下の食えない有象無 象の生き物たちを,心の糧をふんだんに授けてくれる八百万の化身と思ってみてはどうだろう.
――「はじめに」より

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